おかね 書評

【書評】JUST KEEP BUYING(ニック・マジューリ)


こんにちは、ミサゴです。

2024年、新NISAが始まりましたね。投資関連のブログ、Youtubeでも盛り上がっています。新NISAで金融庁が謳っていることでもありますが、長期投資というキーワードが一般的にもなりました。これは十分に分散された株式投資では、15年以上の投資期間を経ることで過去実績ではマイナスになることはほとんどないといったデータからも推奨されていることかと思います。また、十分に分散された、という点においてはインデックス投資が一般的な手法となることも踏まえて、新NISAでは積立投資枠が設けられていますね。

個人的にも、新NISAについては日本で暮らしていく上で欠かせない制度となると思っています。年金制度で不足する分を自助努力で積み立てていくために、国が用意した制度のため、若いうちから地道に積み立てていき、生涯で1800万円の投資枠を埋めて老後の生活に充てるというのが、日本での標準的なライフプランになるのではないかと思っています。

ただ、長期では負けにくいと言われるインデックス投資においても、株価の乱高下はもちろんあります。その際に、精神的に耐えられずに売ってしまう、いわゆる狼狽売りをしてしまっては、ライフプランにも大きな影響が出てしまいます。理屈の上では分かっていても気持ちが耐えられないため、狼狽売りに走ってしまうということです。そんな時に、気持ちを強く持って投資方針を曲げずに長期投資ができるかどうかは、本人がどれだけ投資について勉強し、長期投資に納得しているかということだと思います。テクニックではなく、自身の納得感・腹落ちが重要です。

自分を納得させるには正しく長期投資について勉強するしかありません。それには、投資に関する書籍を読むのが最もコスパが良いです。また冷静な時に読んで、一度納得した良書であればそれを手元に置いておき、狼狽売りしそうになった時には読み返してみるのも良いです。

前置きが長くなってしまいましたが、今回はそのように使える一冊として、「JUST KEEP BUYING」という書籍をお勧めしたいと思います。タイトルを和訳すると、「ただ、ひたすら買い続けろ」です。個人的には、書籍のタイトルがもうすでに投資の最適解を示してくれていると思います。書籍の内容は、そのタイトルの内容を裏付けるものです。本の要約はさまざまなブログやYoutubeで紹介されているので、ここではミサゴ自身が印象に残った部分だけ紹介させていただきます。

投資の必要性

退職者にとって、インフレに対抗する唯一の武器は投資資産を増やすこと

「人的資本」を「金融資本」に置き換えるこため。年齢が上がるほど「人的資本」は衰えていく。

橘玲さんの「幸福の資本論」で詳しく紹介されている「人的資本」「金融資本」の考え方ですが、本書でも触れられています。若いうちに老後を見据えて少しずつ積立を進めていく理由はこの内容に尽きます。年金も同じ考え方ですが、それを自助努力で進めていく必要がある世の中になったということです。リベラル化が進む現代では必然の流れかと思います。

株式投資において積立投資より一括投資の方が4%程度の差でパフォーマンスが勝る。底値を待つことに意味がないことをデータを使って立証。ジャスト・キープ・バイイング(ドルコスト平均法)こそが最も優れた投資方法。できるだけ早く頻繁に投資すべき。

余裕資金があればタイミングを待たずにすぐに投資資金に回しましょう、ということです。積立自体は問題ないのですが、余裕資金を手元に待機させることは投資パフォーマンスを下げるだけということが過去実績により証明されています。世の中には下がったタイミングで買って、上がったタイミングで売りたい、と思う人もいるかと思いますが、そのようなことは実際に常人には不可能でそれは基本的に投資パフォーマンスを下げるだけです。積立投資とは何か、ドルコスト平均法とは何か、ということを投資入門書をよりも深く解説してくれています。

上記以外にも、優れた内容が数多く載っており、それが初心者でも理解できるように書かれています。新NISAを始めたいが投資に不安がある、長期投資が良いと理解しているが続ける自信がない、そういった方々に是非お勧めしたい一冊です。


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misago

misagoです。毎日をより良く、健やかに過ごせるよう、工夫をこらしてます。そんな工夫を共有していきたいです。

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