こんにちは、ミサゴです。
今年2024年1月1日に逝去された山崎元さんの書籍を読みました。数々の投資や経済に関する名著を出され、近年はインデックス投資やNISAに関する記事などで、山崎元さんの名前を見かけた方も多いのではないかと思います。
その山崎元さんがご自身の余命を意識し、大学院となるご子息に宛てた手紙を元にした書籍が本書です。
端的な語り口であり、とても明確で斬新な内容となっています。並の経済評論家では決して書けない内容であり、山崎元さんの著書のなかでも珠玉の一冊ではないかと思ったのが、正直な感想です。
本書を読んで印象的だったフレーズをいくつかご紹介させていただきます。
機嫌の良い人生を送るお役に立てたら幸いだ。
どんな人生を送りたいか聞かれた時に、「機嫌の良い人生」と即答できる自分でありたいと思いました。たくさんの人が「機嫌の良い人生」を送れるように活動を続けてこられた山崎元さんの信念をこの一文から感じられました。
株式性の報酬を得る。
これからの時代の働きかたを考えるうえで、大事なポイントとして「株式性の報酬」と挙げられるのは、山崎元さんならではかと思います。他の方の働き方に関する著書で、結果的に近しい結論に至るものはありますが、それをこの一言で言い表しています。
資本主義経済は、リスクを取りたくない人間から、リスクを取ってもいい人間が利益を吸い上げるようにできている。
利益を吸い上げる際に介在するのが「資本」であり、資本に参加する手段が現在では「株式」だ。
いまの世の中の本質を表す内容だと思います。これが理解できていないと、豊かな人生を送ることはこれからの時代では難しいでしょう。
理解できない人は、「世の中が悪い」「国が悪い」「金持ちが悪い」と、理解できない自分の無知を棚上げにして全てを他責にしてしまうのではないかと思います。
各種の投資・運用のプロや金融界は、経済や相場を分析してコメントを出し続けているが、これは仕事の都合上そうしているだけだ。運用の役には立たない。父もコメントすることがあるが、信じてはいけない。
こちらの内容は、山崎元さんがこれを言うと説得力が凄いなと素直に感心すると同時にふと笑いも込み上げてきました。
インデックス投資が、現在の個人投資の究極形と言う主張にも繋がると思います。
本書の最後には、ご子息に宛てた手紙の原文も載せられています。
立派に育ったご子息を誇りに思い、且つ、経済評論家としてのご自身の人生にも満足されているはずと思いましたが、とはいえ、まだまだやりたかったことはあったはずと思います。
同じ一人の親としては、特にこれからのご子息の活躍をその目で確かめたかっただろうなとも思いました。
大勢の人に多大な気付きと、機嫌の良い人生のための指針を示してくれた山崎元さんに、感謝の気持ちとともにご冥福をお祈りいたします。