こんにちは、ミサゴです。
今回ご紹介する書籍は、タイトルの通り、もともと国税職員だった方が書かれた本です。
東京国税局・相続税調査を担当されていた際に、富裕層いわゆるお金持ちと接する多くの機会・経験がこの書籍の元となっています。こういった普段接することがない職業の方の話というのは、本書に限らず面白いですね。
内容としては、お金持ちの実態を分析し、それを真似ることで自分の金銭的なリテラシー向上を目指そうっといったものです。昨今、同様の主旨の本は珍しくないです。お金持ちの実体像についても、「実は非常に慎ましい生活をしている」「非常に勤勉に働いている」といった内容が多く、そのあたりは他の書籍でも目にする内容です。
ただ本書が他の書籍と違うのは、相続税調査を担当してきた著者の視点で分析されているというところです。他の書籍と同じ内容もありますが、本書ならでは視点も色々とあって非常に楽しむことができました。特に「相続」という点に着眼して書かれているのは、本書ならではだと思います。ミサゴが「なるほど」と思った本書の内容を1つご紹介したいと思います。
富裕層ではない人にとっての保険と、富裕層の人にとっての保険は目的が違う
・富裕層は、相続税と遺産分割の対策として、生命保険を使う。生命保険には法定相続人1人あたり500万円の非課税枠が設けられているから、相続税の節税になる。
・遺言の代わりに生命保険を活用する。法定相続人の遺留分に影響されずに、先に生命保険で特定の受取人に現金を残せる。
最近のお金のリテラシー向上を目的とした本では、「余計な保険は解約しましょう。十分な安全資産があれば生命保険は不要。」といった内容が多いと思います。そういった観点でいえば、お金持ちに生命保険は不要でしょう。でも、そこに相続の観点が加わると生命保険も新たなツールとしての用途が生まれてくる、という話です。いろいろな金融商品の特徴を正しく捉え、税制も正しく知ることで、新たな活用方法が生まれるということですね。お金に関しても、試行錯誤と創意工夫があるという話だと思います。
相続というと自分ごととならない人も多いと思います。ミサゴも、自分に関係してくるのはまだ先の話です。ですが、相続に限らず、いろいろなことで正しい理解を元に創意工夫を使って、金融もそれ以外もリテラシーを向上させていきたいと思います。
最後に、本書からもう1つ引用させていただきます。
借金も富裕層と、そうでない人がするものは意味が違う。富裕層は投資のレバレッジとして借金をする。
貧乏人は生活費や浪費に借金するが、富裕層はお金を増やす道具として借金する、という話です。これも創意工夫ですね。